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プレス板金とは?加工方法の種類と金型設計の基本をわかりやすく
目次
導入:「プレス板金」の疑問を解決します
「金属製品の部品を量産したい」「試作で複雑な形状を作りたい」と考えたとき、「プレス板金」 という言葉を耳にすることがあるかもしれません。しかし、具体的に「プレス加工」と「板金加工」は何が違うのか、どのような製品が作れるのか、品質の鍵を握る「金型設計」 とはどういうものなのか、初心者の方には分かりにくい点も多いのではないでしょうか。
この記事では、プレス板金の世界に初めて触れる方 や、発注先を見直したい製造業の担当者様に向けて、以下の点を分かりやすく解説します。
- プレス加工と板金加工の根本的な違いと、加工方法の種類
- それぞれの加工方法のメリット・デメリット
- 製品品質の鍵を握る「金型」の基本
- 加工業者を選ぶ際の重要なポイント
特に、「プレス加工はA社、溶接はB社、塗装はC社…」と、部品ごとに発注先が分かれてしまう「手配の煩雑さ」や「品質・納期のバラつき」に悩んでいる方は必見です。金属加工は、プレスから溶接、塗装、組立までをワンストップで任せられると、コストと品質管理が劇的に改善します。この記事を読めば、貴社の製品開発に最適な加工方法とパートナーを見つけるヒントが得られるはずです。
プレス板金とは?プレスと板金の違いと概要
「プレス板金」とは、金属の板(鋼板など)を主な材料として、プレス機や板金機械を用いて塑性変形させ、目的の形状の製品を作り出す加工技術の総称です。多くの場合、「プレス加工」と「板金加工」という2つの主要な技術分野を組み合わせて製品が完成します。
この2つは混同されがちですが、得意分野が明確に異なります。
- プレス加工
専用の「金型」を使い、プレス機械で強い圧力をかけて金属板を金型の形状に成形する技術です。一度金型を作れば、同一形状の製品を短時間で高精度に「大量生産」できるのが最大の特徴です。 - 板金加工
金型を使わない(または汎用金型を使う)加工が主体です。レーザー加工機やタレットパンチプレス機で板を「切断」し、プレスブレーキ(ベンダー)で「曲げ」ます。金型が不要なため、「試作品」や「多品種小ロット生産」に柔軟に対応できるのが特徴です。
泉商事では、これら「プレス加工」と「板金加工」の両方の技術を駆使し、さらに後工程である「溶接」「塗装」「組立」までの全工程を自社工場で一貫して行う「一貫生産体制」 を構築しています。
プレス加工と板金加工、それぞれのメリット・デメリット
貴社の製品が「プレス」と「板金」のどちらに向いているのか、以下の比較表でご確認ください。製品のコストや品質に最適な加工法を選択することが重要です。
プレス加工のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 生産スピードが圧倒的に速いため、量産時の製品単価が安くなります。また、金型で成形するため寸法精度が非常に安定します。「絞り加工」のような、板金では難しい複雑な三次元形状(継ぎ目のない容器など)の成形も可能です。 | 製品ごとに専用の「金型」を設計・製作する必要があり、その初期費用(金型代)が高額になります。金型が完成するまでのリードタイムも必要です。 |
板金加工のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 専用金型が不要なため、初期費用がほぼゼロで済み、データさえあればすぐに加工に取り掛かれます。1個の試作から数百個程度の小~中ロット生産に最適で、設計変更にも柔軟に対応できます。 | 1個ずつ切断・曲げを行うため、生産スピードは遅く、製品単価はプレス加工に比べて高めになります。また、基本的に「曲げ」と「溶接」で形状を作るため、「絞り」のような滑らかな曲面や継ぎ目のない形状を作るのは不得意です。 |
| 項目 | プレス加工 | 板金加工 |
|---|---|---|
| 得意な生産量 | 中~大量生産 | 試作・小~中量生産 |
| 初期費用(金型代) | 高い(専用金型が必要) | 低い(汎用金型または金型不要) |
| 生産スピード(単価) | 速い(製品単価は安い) | 遅い(製品単価は高め) |
| 対応できる形状 | 絞りなど複雑な三次元形状が得意 | 曲げ・溶接を組み合わせた箱物などが得意 |
【事例紹介】プレスと板金を使い分けるモノづくり
泉商事では、両方の技術を組み合わせて最適なコストと品質を実現します。
- 事例1:産業機械の制御盤ボックス(板金加工+溶接)
月産50台程度の大型制御盤ボックスは、典型的な「板金加工」が適しています。レーザーで精密に切断した鉄板 を曲げ、角を「溶接」して箱型に組み上げます。その後、「塗装」し、内部に部品を「組立」て完成です。金型が不要なため、低コスト・短納期で対応できます。 - 事例2:自動車向けエンジンカバー(プレス加工+深絞り )
月産10,000個が必要な自動車のエンジンカバーは、「プレス加工」が必須です。複雑な凹凸形状を一体で成形するため、「深絞り」 と呼ばれる高度な金型技術を用います。泉商事では「大型プレス機」 を保有しているため、こうした大物部品のプレス加工にも対応可能です。
プレス板金加工のお悩み、お聞かせください
「試作か量産か決まっていない」「プレスと板金、どちらが安い?」
泉商事なら、両方の加工法に精通した専門家が、貴社の製品に最適な工法をご提案します。
まずは図面1枚からでも、お気軽にご相談ください。
当社の事業内容(プレス板金塗装)もご覧ください
プレス板金でよくある質問(金型・コスト・納期)
プレス板金加工を発注する際、特に「金型」に関連するコストや納期は、担当者様の大きな悩みどころです。ここでは、よくある質問とその解決策について、専門家の視点から解説します。
Q1. プレス金型はなぜ高いのですか? どうすれば安くなりますか?
A. 高精度な設計と強靭な材質が求められ、オーダーメイドで作られるためです。
プレス金型は、何万回、何十万回という打刻に耐えうる高硬度な特殊鋼で作られます。ミクロン単位の精度で設計・製造する必要があり、その製作には高度な技術と時間がかかります。これが、金型費用(イニシャルコスト)が高くなる理由です。
安くする方法としては、生産量(トータルコスト)で考えることが重要です。量産に入れば製品1個あたりのコストは板金加工より圧倒的に安くなります。また、泉商事では「金型が安くなる形状」のVAVE提案(例:角のRを少し大きくする)も行っています。
Q2. 試作(プロトタイプ)だけお願いしたいのですが、金型は必要ですか?
A. いいえ、板金加工(試作金型)での対応が一般的です。
量産用の「本金型」は数百万円以上かかることも珍しくありません。設計検証や小ロット試作の段階では、レーザー加工やベンダー曲げといった「板金加工」で形状を再現することが賢明です。これにより、本金型製作前に形状の問題点を洗い出し、設計変更に柔軟に対応できます(金型修正は高額になるため)。泉商事では、試作から量産まで一貫してサポート可能です。
Q3. プレスと板金、どちらで発注すべきか分かりません。
A. 製品の「必要数」「形状」「予算」によって最適な工法は異なります。
これが最も難しい判断ですが、専門家である我々にご相談いただくことが一番の近道です。例えば、「年間10,000個必要だが、形状が複雑」な場合、プレス加工(絞りなど)が適しています。「年に数回、50個ずつ欲しい」のであれば、板金加工がコストメリットを出せるでしょう。泉商事では両方の加工法に精通しているため、中立的な立場で最適な工法をご提案できます。
【悩み別】金型設計・コスト・納期短縮の解決策
お客様が抱える具体的な課題に対し、一貫生産体制 を持つ泉商事ならではの解決策をご提案します。
悩み1:コスト「金型費用を抑えたい/トータルコストを削減したい」
解決策:材料・形状・後工程まで見据えた「トータル最適化」の提案
単に「プレス(金型)か板金か」を選ぶだけではありません。泉商事では、製品の仕様・形状・用途や生産数量に合わせて、最適な加工工程(プレス金型、板金試作など)をゼロベースでご提案します。
コストと機能のバランスが取れた材料の選定や、加工に適した形状・材質のアドバイスも可能です。さらに、溶接や塗装といった後工程まで考慮し、「プレスの一体成形で溶接コストを省く」「板金を選択して初期費用を抑える」など、トータルコスト削減に向けた最適な選択肢をご提示します。
悩み2:技術「複雑な形状(深絞り) に対応してほしい」
解決策:大型プレス機 と熟練の深絞り 技術
「絞り加工」、特に「深絞り」 は、加工中にシワやワレが発生しやすく、非常に高度な金型設計 ノウハウと、それを使いこなすプレス機の調整技術が求められます。泉商事には、長年の経験で培った金型設計の知見と、「大型プレス機」 を駆使する熟練の技術者が在籍しています。他社で「加工不能」と断られた難形状の部品も、ぜひ一度ご相談ください。
悩み3:納期「開発スピードを上げたい/短納期で対応してほしい」
解決策:ワンストップ体制 による工程間ロスの徹底排除
プレス業者、溶接業者、塗装業者…と発注先が分散すると、工程間の輸送時間や各社での「順番待ち」時間が発生し、納期が長期化します。泉商事の「第一工場」では、これらすべての工程(プレス、溶接、塗装、組立)が同じ敷地内、あるいは緊密な連携のもとで行われます。この工程間ロスのないシームレスな連携こそが、短納期を実現する最大の理由です。
他社比較でわかる泉商事の強み(一貫生産と設備力)
金属加工業者は数多く存在しますが、泉商事には他社にはない明確な強みがあります。それは、「一貫生産の柔軟性」と「設備力(大型・深絞り対応)」 です。
一般的な金属加工業者の場合、以下のように得意分野が分かれています。
- A社(プレス専門): プレス加工は得意だが、溶接や塗装は外部パートナーに委託。金型は作れるが、試作の板金はできない。
- B社(板金専門): 試作や小ロットの板金は得意だが、量産プレス金型や大型の加工はできない。
- C社(塗装専門): 塗装品質は高いが、前工程の金属加工は受けられない。
これに対し、泉商事は以下の強みを掛け合わせることで、お客様のあらゆるニーズに応えます。
- ワンストップの一貫生産体制
最大の強みです。金型製作のハンドリング(協力メーカー連携)からプレス、板金、溶接、塗装、組立まで、必要な工程をすべてお任せいただけます。これにより、品質・コスト・納期のすべてにおいて最適解をご提案できます。 - 大型プレス機・深絞り対応
他社では対応が難しい大型の製品や、技術力を要する深絞り加工 にも対応可能な設備力と技術力があります。 - 鉄材 を知り尽くした専門性
長年、鉄材 をメインに扱ってきたノウハウがあります。材質の特性を最大限に活かした金型設計 や加工条件の設定が可能です。 - 柔軟な対応力(部分工程のご相談)
「一貫作業のみですか?」 というご質問もいただきますが、当社の強みはあくまで一貫生産によるトータルメリットの提供です。しかし、「プレスだけ」「溶接と塗装だけ」といった部分的な工程のご依頼や、量産移管のご相談にも柔軟に対応しております。まずは貴社の状況をお聞かせください。
まとめ:プレス板金のご相談は泉商事へ
本記事では、プレス板金の基本、プレス加工と板金加工の違い、そして金型設計の基本 について分かりやすく解説しました。
- プレス加工は「金型」を使い、「高精度・大量生産」に向いている。
- 板金加工は「金型不要(汎用)」で、「試作・多品種小ロット」に向いている。
- 金型設計 はプレス加工の品質とコストを左右する重要なプロセスである。
- 業者選定の鍵は、プレスから溶接・塗装・組立までを一貫して任せられるか。
金属製品の加工において、発注先が分散することは、見えないコスト(管理工数・輸送費)とリスク(納期遅延・品質バラつき)を増大させます。泉商事株式会社では、鉄材 を中心としたプレス板金加工において、金型設計 から大型プレス 、深絞り 、溶接、塗装、組立に至るまで、すべてをワンストップでご提供します。
「現在の外注先に課題がある」「複数の業者とのやり取りに疲れた」「試作から量産まで一貫して相談したい」
そんなお悩みをお持ちなら、ぜひ一度、泉商事にご相談ください。貴社のモノづくりを、技術と一貫生産体制 で強力にサポートします。
プレス板金加工のことなら、泉商事にお任せください
図面一枚からでも、専門スタッフが最適な加工方法をご提案します。
お見積もり・ご相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。
